ブログのトップページでも述べましたように、着物という文化は日本が世界に誇る美しく素晴らしい文化です。
着物が普段着でない現代に生きる我々は、“何がそんなに素晴らしいの?”と疑問に思うことがあるかもしれません。

 

例えば…、日本には毎年凄い数の外国人観光客が訪れますが、それらの“外国人観光客が日本に来日して体験したいことランキング”内訳の上位に常にランクインしています
それほど外国人のハートをつかんで離さない、高いレビューを持つのが我らの文化“着物なんです。

しかし、外国人からますます支持を得ている事実とは裏腹に、日本人の心はドンドン着物から離れてしまっています。
日本人にとっての“着物”とは何なのでしょうか?それをひも解いていくためには少し日本の着物の歴史を探る必要があります。

 

江戸時代まで遡ってみます。

この時代は300年ほど鎖国を続けた時代として知られていますが、町人文化が非常に栄えた元気いっぱいの時代でもありました。
もちろんこの時代にはまだ洋服というものが伝えらえていませんでしたから、日本の人々は当たり前のように全員が着物を着ていたのです。

そして私たちが知っている着物スタイルが円熟を迎えた時代でもありました。
炊事をするときも、畑仕事をするときも寝るときも常に着物を着ていたわけです。
私たちが普段Tシャツとジーンズを着るような感覚で着物を着こなしていたのでしょう。

着物が普段着となっていたわけです。

そして第二次世界大戦後、日本に外国文化がドンドンと入ってきます。
洋服もその新しい文化の一部です。
洋服を着る人がどんどん増えていき、着物は七五三、成人式、結婚式などの特別な日にしか着られなくなっていきます

茶道や華道などのお稽古事をしている方は、着物を日常的に着ることが多いかもしれませんが、これらのような日本の伝統文化を稽古する人もだんだん少なくなっているため、日本人にとって着物はフォーマルウェアのイメージが強く定着してしまいました。

でもなんで着物がここまで着られなくなってしまったのでしょうか?
答えはいたってシンプルです。
着物を普段着にするという事は、一言で言うと“面倒くさい”ということです。

着物を着こなすためには多くの小物関連を必要としますし、自分で着るのが非常に難しい…。
帯はきつく締めるので苦しいし、何と言っても体を動かしにくいです。

今でこそ、“便利さ”“機能性”は全てのサービスにおいて不可欠なものとなっています。
送料さえ払えば、忙しい中わざわざ呉服店まで足を運ばずとも単品でも配達してくれるわけです。

そんな便利で機能的な時代に完全にリンクしてしまった我々が、着物を着るという事はそれなりの事情があるときであって、好き好んで着物を普段着にしないのです。

それにしても、江戸時代の人は今ほどビシッとした感じで着物(小紋)を着ずに、ゆるっと気楽に着こなしていたのに、いつから今のようにきっちりと着ないといけないようになってしまったのでしょうか??

それは戦後の日本に洋服が伝わって以後、親から子、あるいは先生から生徒へと着物の着方を教える人がいなくなり、“着物文化が廃れる”ことを危惧した呉服産業のお偉い様が、着物についての規則やイメージを作り、着物のフォーマル化を進めてきたことが原因です

着物の文化をそうまでして守ってきた結果が、現代の着物のイメージや着方のルールを作り上げてしまったのです

2016年にあの有名なニューヨークコレクションというファッションショーに初めて着物が展示されました。
そこから着物=ハイファッションブランドという考え方が世界中に広まり、着物専門のファッションブランドもドンドン増加傾向にあるようです。
ファッションに敏感な若者たちが着物に興味を持ち始めた結果、日常的に着物を着るという機会が徐々に増えているようです。
思い思いの着物を自分なりに着こなしてSNSなどで拡散し、それを見て共感した若者たちも着物を着てSNSで投稿拡散しています。そうやって現代の文明の利器を使いながらドンドン拡散されていきついには着物や帯のすばらしさに魅了される外国人もドンドン増えていきます。

彼らは着物の魅力を世界中に拡散してくれます。
着物のすばらしさが世界中に広がるといいなと思いますよね。

着物を普段着にするという価値観が当たり前のものになったなら素敵ですよね♪

ここからは私自身がとてもワクワクする話なのですがw

着物の着こなし方が日常的なおしゃれとして、既存の“固いルール”から解き放たれつつあります
どういうことか?着物の着方が自由になってきているんですよね。

通常は着物の中に長襦袢セットというものを着るのですが、長襦袢の代わりにシャツやスカートを着用してみたり。
草履の代わりにブーツなどを履いてみたり。

そうあの坂本龍馬の様な着こなしです♪
“自分なりのお気に入りのオシャレ”はお金をかけずとも、今あるものを使えば無料でできるんです。

誰もが知っている学者ダーウィンは言いました。
生き残るのは力の強い生物ではなく、環境に適応できた生物である”(何となくでしか覚えてないので間違えてたらすいません…)
やはり着物も例外ではなく、人々の生活と共に進化していかなければ過去の遺物として置いてけぼりになってしまいます。

 

そもそも時代と共に人々の生活と変化し続けるのが文化であるわけです。

何度も言うように着物は日本が誇る素晴らしい伝統文化ではありますが、いつか日本という垣根を超え、世界中の人々のファッションの選択肢に加わることを密かに願っております♪

きものを扱うショップにも外国人が、溢れるくらい増えるといいなぁ。

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